神奈川県の辻堂・茅ヶ崎市の整体院

コロナ禍の中で

「整体法」で読む「新型コロナ」 第3回 新型コロナウィルスと風邪の違い(2)

2020.05.14 | コロナ禍の中で

風邪の経過を促すには

通常の風邪ウイルスは、鼻や喉の粘膜の炎症からくる症状が出たり、少し寒気が出てきたりしますが、あまり長引かずその程度で経過してしまうケースもあります。体のいい状態では、そのくらいで済むこともあり、風邪を引いた自覚もないこともあるでしょうね。

寒気というのは体が発熱するための前作業です。悪寒が出てくればもう少しで発熱してきます。鳥肌が出るほど体が寒さで震えるのですが、それによって体が全身で委縮して熱を閉じ込め、その結果として中から熱を出してくるのです。
酷い悪寒が続く場合は、後頭部に蒸しタオルを当てることで、一気に発熱を促しくれます。体をリセットするのに必要な熱が出きってしまえば、後は潮が引いていくようにスーッと熱は下がっていきます。

前回もお伝えしましたが、この時に平熱以下にまで下がっていくことがあります。戦い終わった体は、その後、再度平熱に戻るまではしっかりと休む必要があります。熱が下がったからといって、ここで通常の生活の活動に戻ってしまうと、元の木阿弥です。そうでないと、風邪を何度もぶり返してしまうこともあり、しまいには四六時中調子を崩しているような状態になることも。
また、途中で症状をむりやり緩和剤等で抑えてしまう場合も同様です。どうしても早く経過を促したい時は、頃合いを見計らって蒸しタオルを当てることをお勧めします。

 

腕の負担で呼吸器を壊す

風邪を引いている最中に、腕仕事あるいは指先を細かく扱う仕事や作業をしてしまうことで、肺への負担が強まり、肺炎を併発してしまうこともあります。腕から先は、肺と密接に関係しており、特に風邪を引いている最中は気を付けなければなりません。
かつて、環境の悪い中で十分な休息も取れず、長期にわたって指先の細かい仕事をしていた女工さん達が呼吸器を壊して亡くなったことは、あの「女工哀史」で痛切に物語っていました。体の仕組みから見ていけば、腕・手指・肩の緊張が上体に負荷をかけてしまいます。
よく高齢者が肺炎のリスクにさらされるのも、年齢とともに抜けなくなった上体の硬直が原因とも言えます。今回の新型コロナウイルスは、否が応でもそうした方々を重篤な状況に追い込んでしまうのは、とても残念なことです。

 

 子(孫)育て中に風邪を引き、肺炎となったケース

さて、これも大船で開業していた頃のことです。初めて来られた60代の女性を診させていただいたのですが、お腹のある個所に触れて、「あれ?肺のポイントに出てるぞ」と感じ、「これまでに肺に負担をかけたことがありますか?」と尋ねると、「数か月前に肺炎をやりました」とのことでした。その後、随分経ってから「あの頃、娘が仕事に復帰したため、私が代わりに孫の面倒を見ていました。
そんな時に風邪を引いてしまい、つらかったのですが頑張って子守りをしていましたね。」と伺い、そうか風邪を引いている最中にお孫さんを抱いたり、面倒を見ていたことで、呼吸器に大きな負担をかけてしまったのだなと、合点がいきました。

この例からもわかるように、風邪を引いている時には、できるだけ腕仕事は避け、静かに経過させていくことで、肺に負担をかけずに体をリフレッシュすることができるのです。もちろん、呼吸器系や免疫系の力が弱いと、通常の風邪でも気を付けなくてはならないのは言うまでもありません。

 新型は要注意

通常の風邪の場合は、熱が出ても慌てる必要はありません。むしろ微熱程度や、熱が出ても熱が上がりも下がりもしない時には、後頭部への蒸しタオルを行うことで一気に熱が高まり、しばらくするとスーッと熱が下がってくるといった現象がよく現れます。
後頭部には発熱中枢があるので、そこに蒸しタオルの刺激を与えることで、その機能がうまく働き始めるからです。必要とする熱が十分出きってしまえば、後は熱を出す役目を終え、元の状態に落ち着いてくるのです。

今回の新型コロナでも、まずはそこまで行なっておくこともいいでしょうね。ただし、新型の場合は、そうした普通の風邪の症状に似た症状を伴いながらも、突然重症化してしまうケースがあるようです。通常の風邪との違いがない場合、ただ経過を待つというのは悩ましい問題です。やはり、新型のウイルスかどうかのPCR検査を受け、確実に陰性であることを知るのも、このような状況下では必要でしょう。
残念ながら、日本ではいまだに検査数が少ないことが問題になっているのは、とてもやりきれないところですね。確実に陰性であることがわかれば、通常の風邪として対処していくこもできるので、経過に応じて、蒸しタオルを必要なポイントに当てるのは非常に有効ですので、是非試して経過を見ていきましょう。

 

 第4回「呼吸器系の状態を読む」(1)に続く

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